
仮想通貨を預けて金利を得たい、でも銀行のような中央機関は使いたくない——。
そんな人に人気なのが、分散型金融(DeFi)レンディングの代表格「Compound(コンパウンド)」です。
本記事では、Compoundの仕組みや他のDeFiとの違い、そしてなぜ今も信頼され続けているのかをわかりやすく解説します。
「どのレンディングサービスを使えばいい?」と悩んでいる方にも役立つ内容です。
Compoundとは?

Compound(コンパウンド)は、仮想通貨を使って誰でも簡単に「貸す・借りる」ができる分散型金融(DeFi)の代表的なプロトコルです。
中央の銀行や企業を通さず、すべてがスマートコントラクトによって自動で管理されています。
Compoundの仕組みとは

ユーザーは仮想通貨を預けることで金利収入を得ることができ、逆に資産を担保にして別の仮想通貨を借りることも可能です。
貸し手と借り手のバランスによって金利がリアルタイムで変動する、非常に合理的な設計です。
対応している仮想通貨と機能

Compoundでは、USDC・DAI・ETH・WBTCなど複数の通貨を預けたり借りたりできます。
預けると「cToken」と呼ばれるトークンが発行され、それを持っているだけで自動的に利息が増えていきます。
他のDeFiサービスとの違い

AaveやMakerDAOなど他のDeFiレンディングもありますが、Compoundはその中でも「シンプルで堅牢」な設計に特化しています。
後述するように、信頼性・歴史・技術の面で頭ひとつ抜けている存在です。
Compoundの強み・魅力ポイント7選
① 金利トークン「cToken」のパイオニア

Compoundは「cToken(例:cUSDC)」という概念を最初に導入したプロジェクトです。
これを持っているだけで、時間とともに資産が自動的に増えていくという仕組みは、その後のDeFiにも大きな影響を与えました。
② 自動変動金利で合理的に運用

金利は借り手と貸し手の需給によって自動計算されます。
「今この通貨の需要が高い」「貸し手が多すぎる」など、リアルタイムな市場データを反映した柔軟な金利設計が魅力です。
③ シンプルで安全性が高い設計

操作画面もプロトコル構造も非常にシンプル。ガチャガチャした仕組みがなく、使う側にとって「迷わない安心感」があります。
初心者が最初に触れるDeFiとしても定番です。
④ ハッキング被害ゼロの実績

2018年に登場して以来、重大なハッキングやスマートコントラクトの事故は一度も発生していません。
DeFiは脆弱なプロジェクトも多い中で、この堅牢性は圧倒的な強みです。
⑤ COMPによるガバナンスの民主性

Compoundでは、COMPトークンを持っていれば運営方針への投票が可能です。
「新しい通貨を追加するか?」「金利の計算式を変更するか?」など、プロジェクトの方向性をみんなで決められます。
⑥ DeFiエコシステムの基盤的存在

Zerion、Instadapp、DeFi Saverなど、他のDeFiアプリが裏でCompoundを利用していることも珍しくありません。
これは「信用されているからこそ組み込まれる」という、インフラ的な立ち位置を示しています。
⑦ Compound v3でさらなる進化

v3では、借りられる資産を1種類に絞ることでリスクを減らし、パフォーマンスを向上。
より効率的かつ安全な設計へと進化しています。
CompoundとAaveの違いを比較表で解説
項目 | Compound | Aave |
---|---|---|
設立年 | 2018年 | 2020年 |
金利タイプ | 変動金利のみ | 固定&変動金利を選べる |
トークン | COMP | AAVE |
ガバナンス | シンプルな投票制 | ステーキング+保険機能あり |
UIのわかりやすさ | 初心者向けで直感的 | 機能が多くやや上級者向け |
リスク管理 | 単一資産の借入に限定(v3) | 多通貨担保・借入が可能 |
Compoundのリスクと注意点

清算(Liquidation)リスク
借り入れ時には担保が必要ですが、価格が下がると強制清算されてしまうリスクがあります。
時価評価なので、ボラティリティが高い通貨を担保にすると危険です。
変動金利の不確実性
金利は自動で変わるため、利回りを予測して運用するのが難しい面もあります。
特に短期トレーダーにとっては、予想外の金利変動がストレスになることも。
ステーブルコイン依存の影響
DAIやUSDCなどステーブルコインが主な資産となるため、
それらの安定性に問題が生じた場合、全体にも影響が及びます。
Compoundの将来性と今後の展望

DeFi中核プロジェクトとしての役割
DeFiの黎明期から業界を支えてきたCompoundは、今でも中心的な存在です。
流動性、信用、技術、すべてがバランスよく備わっており、今後もDeFiの中核を担うと見られています。
v3の発展と新機能の注目点
Compound v3では、借り入れ対象が1種類に限定されることで、
リスクが管理しやすくなり、より柔軟な金融設計が可能になりました。
今後はこの設計が新たな標準になる可能性もあります。
COMPトークンの将来価値
COMPはガバナンスに使われるだけでなく、将来的には報酬やインセンティブ設計にも活用される予定です。
市場の成熟とともに、価値の再評価が進むことが期待されています。
Compoundは「信頼と実績」のDeFiレンディング
Compoundは派手な機能や目新しさよりも、
「わかりやすい・壊れない・信用できる」DeFiとして圧倒的な安定感を誇ります。
ガチな投資家にも、これからDeFiを始める人にもおすすめできる、
数少ない“堅実な選択肢”です。