
仮想通貨の本を買って、動画も見て、それでも気づいたら勉強が止まっている。そんな「3回目の挫折」にいる人に向けて、AI時代のやり直し方を、先生がカリキュラムを組むように整理してみます。テスト勉強の計画を立て直すように、「どこから・どこまで・どうやって」を一緒に決めていきましょう。
なぜ仮想通貨の勉強はこんなに挫折しやすいのか【3つの理由】

まずは、「なんでこんなに続かないのか」を言葉にしておきましょう。ここをハッキリさせないまま気合だけでやり直しても、また同じところで止まりがちです。
用語・プロダクト・ニュースが多すぎて「全体像」が見えない
ビットコイン、イーサリアム、NFT、DeFi、L2、ステーブルコイン…。黒板いっぱいに専門用語だけ書かれている授業を想像してみてください。
仮想通貨の勉強は、いきなり「辞書を丸暗記しろ」と言われているような状態になりやすいです。用語の意味を1つ1つは理解できても、「それが世界のどこに置かれているのか」が見えないから、すぐ頭から抜けていきます。
高校の世界史で、年号だけ丸暗記してもつらいのと同じです。全体の地図がないまま細かい知識を積んでいると、だいたい3回目くらいで心が折れます。
勉強と“価格の上下”が頭の中で混ざってしまう
もう1つの挫折ポイントは、「勉強」と「値段」がごちゃごちゃになることです。
チャートアプリを開くたびに、
- 「今日も下がってる…。やっぱりダメなのかな」
- 「なんか上がってる!今すぐもっと調べないと!」
と、気持ちが乱されます。そうすると、
「理解するための勉強」ではなく「勝つための情報集め」になっていきます。
このモードに入ると、勉強内容が「短期の値動きに関係あるかどうか」で選ばれてしまい、基礎をやり直す時間がなくなります。テスト前日にワークの難問だけ解いて、教科書を一度も読んでいない状態に近いです。
「最短で稼ぎたい」と「ちゃんと理解したい」の矛盾
さらにやっかいなのが、心の中に同時にいる2つの自分です。
- できるだけ早くお金にしたい自分
- 一度ちゃんと理解してから動きたい自分
この2人は、実はけっこうケンカします。
「最短で稼ぎたい」モードだと、基礎よりも“裏ワザ”や“すぐ上がりそうな銘柄”の情報ばかり追いかけます。一方、「ちゃんと理解したい」モードだと、すぐには利益につながらない土台を学ぶ必要があります。
この矛盾を言語化しないまま進むと、「どの勉強をしてもスッキリしない」というモヤモヤだけがたまっていきます。ここを最初に整理しておくことが、やり直しのスタートラインになります。
「もう1回だけやる」と決める前に整理したいこと

次に、やり直す前の「準備運動」をしておきましょう。ここは紙とペンがあるとベストです。スマホのメモでもOK。
どこでつまずいたのかをざっくり振り返る
まずは、「1回目・2回目・3回目、それぞれどこで止まったか」を思い出してみてください。
- 用語が多すぎてワケが分からなくなった
- 口座開設までは行ったけど、そこから放置した
- アルトコインを触り始めたあたりで怖くなった など
「自分は理解力がないから挫折した」のではなく、「設計が悪かったから挫折した」と切り分けてあげることが大事です。テスト勉強でも、教科書を1周もしていないのに「自分は数学がダメだ」とは本当は言えないはずです。
そもそも「どのレベルまで理解したいのか」を決める
次に、「自分はどのレベルの理解を目指すのか」をざっくり決めます。例えば、こんな3段階でもかまいません。
- レベル1:ビットコイン・イーサリアムの仕組みとリスクを人に説明できる
- レベル2:主要なL1/L2やステーブルコインの役割を、ざっくり比較できる
- レベル3:気になるプロジェクトのホワイトペーパーを、自分で最低限読める
いきなりレベル3を目指そうとすると、ほぼ確実に心が折れます。今回は「まずレベル1まで」「半年かけてレベル2まで」など、自分のゴールを決めてしまいましょう。
時間・お金・メンタルの限界ラインを言葉にしておく
最後に、「ここを超えたら一度ストップする」というラインを決めておきます。
- 時間:週にこれ以上は勉強に使わない(例:平日30分、休日60分まで)
- お金:勉強目的の少額投資は、月◯円まで
- メンタル:チャートを見て生活や仕事に支障が出たら、一度完全に離れる
「限界ラインを決めてからスタートする」のは、むしろ真面目な勉強法です。部活でも、オーバーワークを避けるために「休む日」をあえて入れますよね。それと同じイメージです。
2025年に仮想通貨の勉強をやり直すなら、この順番に変える
ここから、具体的な「やり直しの順番」を提案します。ポイントは、
取引所の口座開設やチャート分析を、あえて後ろに下げることです。

① まず「お金・インターネット・データ」の全体像を30分で押さえる
最初の30分は、仮想通貨ではなく、
- お金の歴史(貝殻 → 金 → 紙 → デジタルマネー)
- インターネット上で「価値」をやり取りする仕組み
- 自分のデータがどう使われているか
といった「土台」の話に使います。
ビットコインは、いきなり空から降ってきた謎のコインではなく、「お金・インターネット・データ」がぶつかった結果として生まれたアイデアです。ここが見えていると、その後の用語が一気につながりやすくなります。
② その上でビットコインとイーサリアムの“物語”を読む
土台をざっくり押さえたら、「ビットコインの物語」「イーサリアムの物語」を読みましょう。難しい技術書でなくてかまいません。ストーリーで理解できる本や記事、動画でOKです。
例えば、
- ビットコインは「誰も信用しなくていいお金」を目指した話
- イーサリアムは「なんでも動くブロックチェーンの土台」を目指した話
というイメージが持てれば、まずは十分です。
③ 取引所・ウォレット・税金など「実務」はあえて後回しにする理由
多くの人は、
- 口座開設 → 少額購入 → 怖くなって勉強ストップ
という流れで止まります。これは、
「やること」が先で、「理解」が後ろに回ってしまっているからです。
今回のやり直しでは、
- 実務(取引所・ウォレット・税金)は「ビットコインとイーサリアムの物語」を押さえた後
- しかも、一気に全部やろうとせず「口座開設だけ」「入金だけ」とステップを細かくする
という順番にします。高校の授業でいえば、「応用問題」より先に「教科書の例題」と「公式の意味」をやるイメージです。
AI・ChatGPTを「調べ役」にして、挫折ポイントだけを一緒に潰す
次は、AI時代ならではのやり直し方です。ポイントは、
AIを“先生”ではなく“調べ役の後輩”として使うことです。

自分で作る用語リストをAIに渡して“マイ辞書”を作る
まずは、自分で「分からない単語リスト」を作ります。紙でも、メモアプリでもOKです。10〜20個くらい書き出したら、そのリストをまとめてAIに渡します。
例えば、
「この用語リストを、中高生にも分かるレベルで1つずつ説明して。1つあたり3行以内でお願いします。」
と頼めば、あなた専用のミニ辞書ができます。
「分からない言葉が出るたびに勉強が止まる」のではなく、「分からない言葉をメモし、後でまとめてAIに聞く」習慣に変えるだけで、学習のストレスはかなり減ります。
ホワイトペーパーや公式ドキュメントを「3レベル要約」させる
プロジェクトのホワイトペーパー(公式の説明書き)は、いきなり全部読むとほぼ確実に心が折れます。そこで、AIにはこう頼みます。
- レベル1:小学生にも分かるように、ざっくり2〜3行で
- レベル2:高校生にも分かるように、仕組みをもう少し詳しく
- レベル3:投資判断に使えるレベルで、メリット・リスク・ビジネスモデルを整理
同じ内容を3レベルで説明させると、自分がどこまで理解できているかが見えやすくなります。「レベル2までは分かるけど、レベル3はまだいいや」という判断もできます。
「分からない」を潰すための質問テンプレを用意しておく
AIに質問するときは、あらかじめテンプレを決めておくと迷いません。例えば:
- 「この用語を、仮想通貨初心者にも分かるように1分で説明して」
- 「このプロジェクトのメリット・デメリット・リスクを表で整理して」
- 「このニュースが、自分のような個人投資家にとって大事かどうか教えて」
「どう聞けばいいか分からない」状態を減らすことが、AI時代の勉強ではかなり重要です。質問テンプレを3〜5個、ノートの最初に書いておくと安心です。
勉強の“ゴール”と“やめどき”を、最初に決めてしまう
ここからは、「どこまでやるか」「どこでやめるか」を先に決めてしまいます。少し変に聞こえるかもしれませんが、ここをあいまいにすると、またズルズルと挫折していきます。

「ここまで理解できたら十分」という“卒業ライン”を一文で決める
まずは、こんな一文を作ってみてください。
「ビットコインとイーサリアムの仕組みとリスク、そして日本での税金のざっくりしたルールを、自分の言葉で説明できるようになったら、一度“仮想通貨の勉強は卒業”とする。」
卒業ラインが決まると、「永久に勉強し続けなきゃ…」というプレッシャーから解放されます。その上で、「もっと知りたい」と思ったら、そこから先は“趣味の深掘り”にできます。
学ぶのをやめる条件を決めておく(仕事・家族・メンタルのライン)
次に、「ここまで行ったら、一度距離を置く」というラインも決めましょう。
- 仕事や勉強に明らかに支障が出始めたらやめる
- 家族やパートナーに心配されるレベルになったらやめる
- チャートを見ないと落ち着かない状態になったらやめる
このラインは、投資の才能とは関係なく、心と生活を守るための安全装置です。高校生でいえば、「睡眠時間が◯時間を切ったら、スマホは一度やめる」と決めるのに近い感覚です。
勉強と投資を意図的に切り離すためのルールを作る
最後に、「勉強」と「お金を動かす行動」を分けるルールを決めます。
- 勉強の日は、チャートアプリを開かない
- 購入判断は、「勉強ノートを見返した翌日」にしか行わない
- AIに「買うべきか?」ではなく、「どういうリスクがあるか?」を聞く
ルールを先に作ることで、「感情のまま動いてしまった」を減らしやすくなります。これは投資の話であると同時に、「勉強を続けるための環境づくり」の話でもあります。
自分用の“最後のやり直しカリキュラム”を1枚にまとめる
ここまで来たら、いよいよ「1枚のカリキュラム」に落としていきます。ノートの1ページ目、A4の紙1枚、デジタルなら1画面に収まるように作るのがおすすめです。

1ヶ月・3ヶ月・半年で「どこまで分かるようになりたいか」を書き出す
まずは、期間ごとの到達イメージを書きます。例として:
- 1ヶ月後:ビットコインとイーサリアムの物語を説明できる/基本用語20個を自分の言葉で言える
- 3ヶ月後:主要なL1・L2・ステーブルコインの違いをざっくり説明できる/取引所とウォレットの基本操作が分かる
- 半年後:自分の投資ルールをA4一枚にまとめて、人に見せても説明できる
「何をやるか」の前に「どうなりたいか」を先に書くことで、カリキュラムがブレにくくなります。
週に何時間なら続きそうかを逆算する(平日◯分+休日◯分)
次に、「リアルに続けられそうな時間」を書きます。
- 平日:1日20〜30分(通勤・通学の時間や寝る前)
- 休日:1日60分(動画+ノート見直し+AI質問)
「理想の時間」ではなく「続きそうな時間」で決めるのがコツです。部活でも、最初から毎日3時間練習するより、「まずは1時間を確実に」が大事ですよね。
今日1日でやるのは「この3つ」だけに絞る(サンプル付き)
最後に、「今日やる3つ」を毎回決めるようにします。例えば:
- ① ビットコインの物語の動画を1本見る
- ② 分からなかった単語を5つメモして、AIに質問する
- ③ ノートに「今日分かったこと」を3行だけ書く
「たったこれだけならできる」と思える量にまで細かくすることが、3回目の挫折を防ぐ一番のポイントです。
明日からではなく「今日」から1歩だけ動くためのミニガイド
ここまで読んだあなたは、すでに「やり直しの準備運動」は終わっています。あとは、今日のうちに小さな一歩を踏み出すだけです。

5分だけでいいので、ノート1ページを埋める
まずはノートを1冊用意して、1ページ目に次の3つを書いてみてください。
- 仮想通貨の勉強でこれまでつまずいたポイント
- 1ヶ月後・3ヶ月後・半年後の「なりたい状態」
- 自分なりの“卒業ライン”と“やめどき条件”
完璧に書かなくて大丈夫です。鉛筆書きでも、途中で消してもOK。大事なのは、「頭の中のモヤモヤを紙に出す」ことです。
AIに1つだけ質問してみる
次に、AIに質問を1つだけ投げてみましょう。例えば:
「ビットコインとイーサリアムの違いを、中学生にも分かるように3つだけ教えて」
この1問だけでも、勉強はすでに「4回目のスタート」に入っています。
「1文の卒業ライン」と「やめどき条件」をメモに書き出す
最後に、スマホのメモや手帳に、
- 自分の卒業ラインの一文
- やめどき条件の一文
を書いておきましょう。テスト前に「ここまでできたらOK」と決めておくのと同じです。
この2行を書いた瞬間から、「なんとなくダラダラ勉強するモード」から「自分で設計して学ぶモード」に変わります。
ここまでできたら、あとはゆっくり進めるだけです。
3回挫折している人こそ、「設計」を変えれば伸びる
仮想通貨の勉強で3回挫折している人は、「才能がない人」ではありません。むしろ、
- 何度もチャレンジしている
- なんとなく危険も感じ取っている
- だからこそ慎重になっている
という意味で、かなり“感度が高いタイプ”です。
今回の記事は、「気合」や「根性」を増やす話ではなく、「設計」を変える話でした。順番を変え、AIを調べ役にし、ゴールとやめどきを先に決め、自分用カリキュラムを1枚にまとめる。
高校のテスト勉強でも、社会人の資格勉強でも、うまくいく人はだいたいこの流れを自然とやっています。仮想通貨だから特別にむずかしいわけではありません。
3回目までの挫折は、「設計がなかった時代の記録」です。4回目のスタートは、今日、ノート1ページとAIへの1問から静かに始めてみてください。