AI銘柄、RWA銘柄、L2、ゲーム系……。気づけば「テーマ銘柄」が増えすぎていて、全部追おうとするとそれだけで1日が終わってしまいますよね。この記事では、そんな情報の波に飲まれないために、「追う」よりも「ふるいにかける」視点を一緒に作っていきます。

テーマ銘柄が増えすぎて、ほぼ誰も全体像を追えていない

まず確認したいのは、いまの仮想通貨マーケットは「テーマ銘柄の増えすぎ時代」だということです。AI、RWA、L2、新興L1、DePIN、SocialFi…。名前を聞くだけでお腹いっぱいになるくらい、毎週のように新しい「○○銘柄」が生まれています。
AI・RWA・L2…追いかけるだけで1日終わる現実
たとえば、27歳の会社員が、仕事終わりにX(旧Twitter)を開いたとします。タイムラインには、
- 「次はAI銘柄が来る」
- 「RWAこそ本物のユースケースだ」
- 「L2はこの3つだけ追えばOK」
といったポストがずらっと並びます。リンクを開き、スレを読み、YouTubeを再生しているうちに、気づけば1時間、2時間と溶けていきます。
インフルエンサーの“テーマ乗り換え”の速さ
しかも厳しいのは、インフルエンサー側の「テーマ乗り換え」の速さです。去年までメタバースとNFTを押していた人が、今年はAI銘柄とRWAを語り、来年はまた別の何かを推しているかもしれません。
高校生の部活でいえば、「昨日まで野球部を推してた先生が、今日はサッカー部を激推ししている」イメージに近いです。ついていく側は、かなり大変ですよね。
「全部追おうとする人」ほど情報疲れしていく
この状況で一番消耗するのは、「全部追おう」としてしまう人です。「AI銘柄もRWAもL2も、全部チェックしておかないと乗り遅れそう」という焦りが、毎日のインプットを「勉強」ではなく「ノルマ」に変えてしまいます。
この記事では、その逆を目指します。つまり、「追う銘柄を増やす」のではなく、「ふるいにかけて減らす」側に立ち位置を移す、ということです。
テーマごとに「何を見るか」を先に決める

ここからは、実際にフィルタリングの軸を作っていきます。大事なのは、インフルエンサーの意見を聞く前に、自分の「見るポイント」を決めておくことです。高校のテストでいえば、「どこが出そうか」を自分なりに予想してから授業を聞くイメージに近いです。
AI銘柄なら「AIっぽさ」ではなく、この3つを見る
AI銘柄については、次の3つを最低ラインのフィルタにするのがおすすめです。
- 本当にAIを使っているのか(ただの「AIっぽい」マーケではないか)
- どんなデータ・モデルに強みがあるのか(APIを叩くだけなのか、自前の技術があるのか)
- 既存のAI企業やクラウドと比べて、どこにニッチなポジションを取ろうとしているのか
「AIと書いてあるからAI銘柄」ではなく、「この3つが語れないなら、一旦保留」と決めておくことで、無駄なホワイトペーパー読みがかなり減ります。
RWAなら「法と現実世界」とつながっているかを見る
RWA(現実資産のトークン化)系では、次の3点をチェックしたいです。
- どの国・どの枠組みの法律に基づいているのか
- 原資産は何か(不動産、国債、クレジットなど)
- 提示されている利回りが、現実世界の金利やリスクと比べて常識的かどうか
ここを押さえておくと、「なんとなくRWAっぽいけど、実はよくわからない」案件をかなり落とせます。
L2・スケール系チェーンなら「実際に使われているか」を見る
L2やスケーリング系では、
- 実際のガス代・トランザクション数・アクティブユーザー
- 既存の有名L2(Arbitrumなど)とどこが違うのか
- エコシステムのための資金(財団・VC)がどのくらいの期間、継続しそうか
といった「リアルな利用」と「持久力」を見ると良いです。高校生の視点で言えば、「その部活は大会で結果を出しているのか」「1年後も部員が残っていそうか」を確認するイメージです。
逆に「これが見えないなら即スルー」の条件

見るポイントを決めるのと同じくらい大事なのが、「ここが曖昧なら、今は考えない」という即スルー条件です。いちいち迷っていると、時間もメンタルも削られていきます。
プロダクトとトークンが結びついていないケース
一番シンプルな即スルー条件は、「プロダクトが伸びても、トークンの価値と連動しない」構造です。たとえば、
- 売上はすべて運営に入り、トークンホルダーには何も還元されない
- 手数料にトークンがほとんど使われない
- ガバナンストークンと言いつつ、投票しても実質何も変わらない
こういったプロジェクトは、「応援として触る」のはアリですが、「投資先」としては優先度を下げる、くらいの線引きが現実的です。
規制・法的リスクを無視しているRWA
RWA系でよくあるのが、「◯◯国ではOKです」とだけ説明され、日本在住の個人投資家にとってのリスクがほとんど語られていないケースです。
どの国の投資家を想定して設計されているのか、その説明がなかったり、Q&Aが雑だったりする場合は、一度引いて見た方が安全です。
既存の強者と比較して語れないプロジェクト
AI銘柄なら既存AI企業、L2ならEthereumや有力L2など、必ず「比較対象」になるプレイヤーがいます。そこに対して、
- 「イーサでよくないの?」
- 「AWSでよくないの?」
というツッコミに答えられないプロジェクトは、わざわざリスクを取る理由が弱いと言えます。「比較の話が一切出てこない」時点で、即スルー候補に入れてしまっても構いません。
“銘柄リスト”ではなく“フィルターリスト”を持つ

次にやりたいのは、「どの銘柄を持つか」リストではなく、「どんな銘柄をそもそも見ないか」というフィルターリストを作ることです。これは、定期テストの前に「ここは出ないだろう」という範囲を切る作業に近いです。
自分の中の「○○なら見ない」条件を列挙する
たとえば、あなた自身のフィルターリストがこんな感じでもOKです。
- 「AI」としか書いていない銘柄は見ない
- 利回り◯%の理由が3行で説明されていないRWAは見ない
- L2は、オンチェーン指標が一定水準に達するまで深掘りしない
ポイントは、「完璧なフィルター」を作ろうとしないことです。まずは、今の自分を守るための最低限のガードレールから始めれば大丈夫です。
「ここを満たしたら初めて調べる」条件も決める
逆に、「ここを満たしたら、初めて真面目にホワイトペーパーを読む」という条件もセットで決めておきましょう。
- AI銘柄なら、実際のデモや動いているプロダクトが公開されている
- RWAなら、監査法人やライセンス情報が明示されている
- L2なら、主要プロトコルが複数動いていて、TVLも一定水準を超えている
こうして「スルー条件」と「深掘り条件」をペアにしておくことで、毎回ゼロから迷う時間をカットできます。
フィルターを頭の中だけで持つのではなく、一度ノートやメモアプリに文章として書き出すのもおすすめです。高校の学習計画を書くのと同じで、「自分が何を大事にするか」がハッキリしてきます。
テーマの“旬”に振り回されないためのルール

次に、フィルターを作ったあとに必要な「運用ルール」です。ここを決めておかないと、バブル期に全部崩れてしまいます。部活の練習メニューも、試合前に急に全部変えると崩れるのと同じです。
テーマごとに「研究枠」と「投資枠」を分ける
まずおすすめなのは、テーマごとに「研究枠」と「投資枠」を分ける考え方です。
- 研究枠:まだ仕組みを理解している途中。少額で触るか、トレードせずに情報だけ追う。
- 投資枠:ルールが固まり、自分の中で「ここまではOK」が決まっているテーマ。
これを分けることで、「まだ研究枠なのに、ノリで大きく張ってしまう」パターンを防げます。
年に1〜2回しかポジションを見直さないテーマを決める
もう一つ大事なのは、「頻繁にいじらないテーマ」を決めておくことです。たとえば、
- ビットコインとイーサは年に1回だけ見直す
- AI銘柄は四半期に1回だけポートフォリオを整理する
のように、「見直し頻度」を先に決めておくと、Xのポストに振り回されて毎週ポジションを変えることが減ります。
次のバブルでも「ルールを変えない」と決めておく
最後に、この記事で一番伝えたいのはここかもしれません。次のバブルが来ても、決めたルールを原則変えない、ということです。
もちろん、市場環境の変化に合わせて微調整は必要です。ただ、「バブルが来たからルールを捨てる」は、ほぼ負けパターンです。高校のテスト前に、急に参考書を全部変えるようなものだからです。
フィルター思考の“やりすぎ”でハマる罠

ここまで読むと、「よし、もっと厳しいフィルタを作ろう」と思うかもしれません。ですが、フィルター思考にも落とし穴があります。
厳しすぎて「何も買えない」状態になる
フィルターを厳しくしすぎると、候補のほとんどが消えていき、最終的に「ビットコインとドルしか残らなかった」「そもそも何も買えなくなった」という状態になりがちです。
これはこれで一つの選択肢ですが、「本当は一定のリスクを取りたいのに、怖くて動けなくなる」のは、あなたの本心とズレているかもしれません。
バブル終盤だけフィルタを緩めて全被弾する
もう一つよくあるのが、バブル終盤でだけフィルタを緩めてしまうパターンです。ふだんは慎重なのに、周りのテンションに引っ張られて、
- 「今回は特別だから」
- 「今回は本物っぽいから」
と、自分で決めたルールをスルッと超えてしまうイメージです。高校のテスト前に「今日だけは徹夜でゲームしても平気」と思ってしまう感覚に近いかもしれません。
過去の正解フィルターに固執して、新しい波を全部見送る
逆に、過去のバブルでうまくいったフィルターを、永遠の正解だと思い込んでしまうのも危険です。技術の進歩や規制の変化によって、「見るべきポイント」は少しずつ変わっていきます。
フィルターは「守るための武器」であり、「永遠に変えてはいけない教科書」ではないと捉えておくとバランスが取りやすいです。
テーマ銘柄との距離感を、自分の言葉で決めよう

AI銘柄、RWA、L2、新興L1……。これからも、新しい「○○銘柄」は次々と生まれてくるはずです。すべてを追うのは不可能ですし、追おうとするほど消耗します。
だからこそ、
- テーマごとの「見るポイント」と「即スルー条件」を決める
- “銘柄リスト”ではなく、“フィルターリスト”を持つ
- 次のバブルでも、原則ルールを変えないと決めておく
という3ステップが大事になります。
高校生の勉強でいえば、「全部の参考書をそろえる」のではなく、自分に合う1〜2冊を選び、その使い方を決めるイメージです。仮想通貨のテーマ銘柄も同じで、「どれだけ知っているか」より「どうやって選び、どう付き合うか」がポイントになります。
この記事を読み終えた今、スマホのメモにでもいいので、
- 「AI銘柄は、ここが見えなければ触らない」
- 「RWA銘柄は、この3つが揃うまで研究枠にとどめる」
といった一文を書いてみてください。それが、次のバブルで振り回されずに済むための、小さくて大きな一歩になるはずです。